- Amenokoyane -

◆天児屋根命(アメノコヤネノミコト)

神代文字:三輪神字×正神字×左津真神字

  

御利益

智神。開運招福・立身出世・合格祈願・国土安泰・家内安全・産業繁栄・所願成就

※日本一の祝詞神です。言葉・言霊・音階・文字・数字などを司ります。穏やかな神ですが、もし本気になれば日本最強だろうと云われました。

祝詞

ひふみ よいむなや こともちろらね しきる ゆいつわぬ そをたはくめか

うおえ にさりへて のますあせえほ れけ

 

 

解説

日本神道における「言霊・祝詞の神」です。言霊を構成する言葉や声・音・リズムを司る、とても上品で穏やかな神です。アマテラスとの言い争いに始まった姉弟喧嘩で機嫌を悪くした三貴神の末弟スサノヲが天上界でさんざんに暴れてしまったので、やむなく追放するための「祝詞」を唱えた神でもあります。このさいにアメノコヤネが奏上した祝詞は「解除太諄辞」「祓太祝詞」(=はひのふとのりと)などとも云われています。春日権現(=かすがごんげん)春日大明神(=かすがだいみょうじん)とも呼ばれ、奈良県・春日大社をはじめ全国に約3,000社あるといわれる春日系神社の御祭神(四柱)の一柱です。(別名:天屋根命、天之子八根命、天兒屋命、ワカヒコ、カスガマロ、など。)

 

 

アメノコヤネは主に奈良県の春日大社や全国の春日神社などでお祀りされています。天孫降臨に際し、アマテラスの孫神ニニギに付き添って地上に降臨した神々の中でも主要メンバー(五神)の一柱です。神話ではアマテラスが「天の岩戸」の中に隠れてしまった際、フトダマノミコトとともに太占を行い、岩戸の前でアマテラスを慰めて励ます「祝詞」を奏上し、アマテラスが岩戸を少し開いたときに鏡を差し出しました。

 

 

神名の「コヤネ」には主に二つの意味があり、一つは贅を好まない「小さな屋根(の建物)」のお社に住む神だったから。もう一つは「言綾根(ことあやね)」の意味で「祝詞」を美しく奏上する神だったから。このどちらか、又は両方が起源と考えられています。古事記には中臣氏の祖とあり、その後裔となる藤原氏の祖とされています。中臣氏は大和朝廷で忌部氏と共に祭祀を担当しており、神と人との中を取りもつ役割という意味で「中臣」の名を賜りました。その後、中臣鎌足が「大化の改新」の功績により天智天皇に賜った「藤原」の姓が息子の「藤原不比等」の代に認められ、藤原氏の後裔一族が栄耀栄華を極めたさいには、始祖とするアメノコヤネを御祭神に含めた「春日」の名がつく神社が数多く建立されました。

 

 

アメノコヤネはとても上品で物静かな神ですが、その神力は強大です。なぜならば、八百万の神々にいつでも助力を得ることができる「祝詞の神」だからです。アメノコヤネはメッセージの伝え方がとても穏やかなのですが、とても心に響く発し方をします。21世紀の現世に生きる私たちには「自分の言霊に耳を傾けなさい。自分の話す言霊を思い返しなさい。」と、よくおっしゃっています。人が口から発する言葉は霊力を持っていること、その霊力は自ずと深く広く浸透していき、発した者の “今から先”の未来 を創りだしていくのだということを、いつも教え導きたいと思っているのだそうです。メッセージにすると、こういうこと。

 

 

「今を生きるあなたは、言葉の持つ力をあなどってはいけません。言葉や文字をおろそかにしてはいけません。自らの心にある輝く光の言の葉を見つめることで、あなたたち一人一人は理想の自分になれるのです。いつでも、今すぐにも『魂の声』に忠実となれば良いのです。すると光の道が見えてくるのです。私はあなたの心の声が天へ届くこと、そして、神の声があなたの心に届くことを、必ずや成しましょう。なぜなら、わたしはあなたに幸せになって欲しいからです。夢はすべて実現して欲しいのです。そして人々には、互いに自分の周りにいる人々を幸せにしてあげて欲しいのです。それこそが神々の願いなのです。」

左上:玉串奉納する巫女

右上:神楽や田楽を奉納する一団

右下:ライトアップした春日大社

左下:アメノコヤネ 神楽舞